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2016年12月27日 (火)

読物 『ねじまき少女』

原題"The  Windup Girl"。

文庫本で上下巻構成。上巻の半分くらいは、個人的な指標であるところの『パイプ草』であり、かなり退屈に感じられた。別の指標で例えるならば、『ケルベロス』でずっとエビ喰ってるカンジ? MG34ぶっぱなしてから本番。

物語が面白くなるのは人物が動き始めたそれ以降で、ところがそれはいつしかプロットレベルの箇条書きとしか感じられない筆致になってしまっている。
総じると、文章として優れていると感じられるのは『パイプ草』相当の冒頭であり、面白いのは箇条書き的な痕跡を色濃く残すその他ということになる。SFとは物語ではなく設定語りであるらしいので、非常に王道的なSFということになろう。

タイトルに冠せられた『ねじまき少女』は、フォーカスして読むには端役すぎ、とはいえ物語には欠かせない心臓へ向かう折れた針であるが、タイトルになるほどの存在であるかといえば否という印象がある。『装甲騎兵ボトムズ』が構成は同じで『ファンタム・レディ』というタイトルだったら同じ印象になるかもしれない。

「ねじまき少女」なるものはいわゆるデザインヒューマンのことで、物語中の出自は日本である。そのモチーフにはおそらく日本のからくり、茶運び人形的なものが含まれていると思う。設定は非常にオイシイのだが、カロリー本位制という大仕掛けのために押し出しが強いとはいえず、なにかを逃している気がする。

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他の作品を読んでみようと思わせるくらいには面白かった。

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