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2016年2月 7日 (日)

読物 『スティーブ・ジョブズ』

アップルⅡが欲しかった。Wizardryを遊びたかったのだ。
月刊『ログイン』なんかを毎月読んでいた頃、中学生の資力ではどうにも購入の目処が立たず、せがむ口実を見つけられるほどの知力もなく、ただ、月々のこづかいやお年玉を貯めても遠く届かないということだけは察してしまい、諦めた。

思えばこの挫折が、アップル製品との縁を失した端緒かもしれない。

そのうちに、Wizardryは国産機で遊べるようになった。ありがとう、アスキー。その頃はなんとかしてPC-8801mkⅡを手に入れる知恵を身につけていて、毎日部屋に籠っては5インチFDを入れ替える日々を過ごした。ありがとう、お父さん。

マッキントッシュはすげえなあと思ったが、強く欲した覚えはない。諦めが先に立っていたせいかもしれない。
とにかく高かった。PC88の倍以上したような覚えがある。メモリを鬼積みしないとまともに動かないとかいう話も聞いていて、手が出せるものではなかった。

以来、iMacもiPodもiPhoneもiPadも触れずに現在に至る。
iMacが発売された時は社会人になっており、心動いたが、メモリすら自力で増設できないということを知って選択肢から外れた。当時の個人的PC事情として、今よりもPC機器の流動性が高かった。CPUの換装だとか、不必要にやっていた。不快適なマシンを少しでも快適にしたかったのだろう。あるいは、PC自作という名の遊びが面白かっただけかもしれない。なんにしても、必要に応じて構成要素を変更できないというのは、かなりいただけなかった。一度は使ってみたいとずっと願っていたわけだが、以後、PC購入時にMacを検討することはなくなった。
それほど音楽を聞かないし、イヤホンの類が苦手だったから、iPodを欲しいとは思わなかった。
モバイルは電話できりゃいいや程度の興味しかなかったし、タブレットは生活スタイルの中に置き場所が見つけられなかった。今現在、所有する機器のなかでタブレットに相当するものはPS Vitaということになろうか。

本書を読むと、こんな生き方をしてしまったことが悲しくなる。ちょっとはアップル製品に触れておくべきだったのかと後悔したくなる。次の機会にはiPhoneを選んでみようかという気にさせられる。ポジティブな話よりもネガティブな話題の方が多く耳に届いているんだけれども、耳をふさいでみようかという気にさせられる。(やや棒)

PS3のUIはとても使いにくい。Vitaも使いにくい。2010年頃入手したXperiaは使いにくいということはなかったのに2015年に入手したZ5は余計なモンがしこたま仕込まれていてしかもアンインストールできず非常に使いにくく進化している。よりにもよってそんな経験ばかりしていたせいか、デジタル機器へのときめきが失われて久しい。
だから、スティーブ・ジョブズが精魂込めたインターフェイスというものに触れて心洗れてみたくもなる。(ちょっとマジ)


かつてパソコンやらその周辺の話題に熱心だった頃、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツの名前よりも、ロバート・ウッドヘッドやとアンドリュー・グリーンバーグ、ロード・ブリティッシュの名に強い刺激を受けていた。
ビル・ゲイツの話題はなんとなく耳目に触れてきていたような気がするけれど、なぜかスティーブ・ジョブズの話題はそうではなかったように思う。Macユーザでないから無意識に記事を避けていたのかもしれない。

ゆえに、スティーブ・ジョブズという人物像に触れるのは本書が初となる。
俺ルールで生きるダブルスタンダード上等なカリスマあふれる暴君。
ものすごくクリエイティブで偏執的な職人でもある。
ものすごくめんどくさそう。
本書から読み取れる人物像は、そんなカンジ。

彼の生み出したものは世界を変えたというが、IT業界の片隅に棲息していながら、そんなことを感じたことはなかった。ジョブズが変えたという世界の住人ではなかったのだろう。

余談だが、何年か前に、雑談の席で、出版関係者に電子出版についてどう思うか訪ねられた時、薄利多売で購入者の権利を保護するモデル(クラウドという概念は当時一般的ではなかったように思う。当時は知らなかったが、これはiTuneのビジネスモデルと同じだ)しか思いつかないと応え、鼻で笑われたことがある。彼自身の見解を聞かされることはなかったが、全面否定だった。
現在、日本の電子出版はどうにもなんともなってないカンジしかしなくて購入意欲を抱けない。電子版と書籍版が同じ値段だったりすると、流通やら印刷などのコストは、電子掲示とデジタル加工のコストと等価なのかと感慨深くなる。その上、電子版の解像度に信頼がおけないとなれば、同じ値段なら紙のものを選択せざるを得ない。近頃は電子版を100円くらい安くしているものもあるようだが、その分、その分、もともとの値段を高く設定しているように見える。
日本の出版業界も、ジョブズが変えたという世界の住人ではなさそうだ。あまり興味がないので偏った話題しか摂取していない可能性もあるが、音楽協会もそうであるようだ。


そういえば、NeXTはちょっとだけ使ったことがあった。
当時、主に使っていたワークステーションはDEC製品だったが、それと比較してNeXTが特にどうこうということは感じられなかったように思う。GUIは綺麗で魅かれるものがあったが、専有して使えるわけでもなかったので、いじり倒す域にまで達することはなかった。やはり縁遠いのだろう。

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