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2016年1月26日 (火)

読物 『代替医療解剖』

サイモン・シンに魅せられたのは紹介された『フェルマーの最終定理』だった。
テーマにそれほど興味のなかった『暗号解読』や『ビッグバン宇宙論』も、だからあえて読んで、期待通りに面白かった。

本書は、というと。

本書での柱となる「科学的手法」というのが人体実験をオブラートにくるんだ統計学と解釈せざるを得ないところが苦しい。現代科学の限界と思うしかないのだろう。
本書には語られていないが、聞いたところによれば、現代医学は薬が人体に効き目を及ぼすプロセスを解明していないという。アレを投与すると風邪には効く的な統計万歳。

ゆえに、現時点で主流となっている西洋医学はほどほどに信頼するに足るというのが個人的見解である。なにごとかあったときには間違いなく頼るであろう。
ただし、木を見て森を見ずというところと、患者の話を聞かないという点については、近年立て続けに経験した出来事から強く不信感を抱いており、これはなにごとかあったときにも覆しえないかもしれない。
ほどほどのなにごとかだったならば、なるべく頼らない。頼りたくない。

本書が問題にしているのは、代替医療そのものというより、詐欺師集団にカネが流れること、と思える。低額で毒にも薬にもならないものであるならば、テーマに選ばれることもなかっただろう。
個人的にこれを咀嚼すれば、患者の訴えよりも事故保険との兼ね合いを気にしているように見えたりする藪とか、風邪だといっているのに花粉症だと断じる藪とか、現代科学が解き明かしていないが古来から存在する生活習慣病に対して偉そうにする輩といった手合いにカネを流すなということになる。

とある保健員に聞いたところ、事故保険が支払い対象として認定するのは「診断能力」を有する医療機関だという。
診断能力を有するとは現代的診断機器すなわちレントゲンやらMRIやらを備えていることであるらしい。診断者の技量は問題でないらしい。しんだんのうりょく万歳。

交通事故で肋骨を折り、膝を強打したことがある。肋骨は骨折の治療を受けたが、当初、膝は打ち身よりもすりむいた痛みの方が強いくらいで、擦り傷の保護を受けただけだった。しばらくして股関節の具合が悪くなり、医師にこれを告げたがカルテには追記されず、同院のマッサージ師が医師に内緒で手当てしてくれた。
この病院では埒があかんと他の施術設けたが改善せず、時間とヨガが解決してくれた観がある。

こういう対応を受けると、統計学的に優れた科学技術の粋である医療を、心から信奉することはできない。
診断能力を有するという医師には分からず、理解されず、聞く耳をもたれない患者の不調を、診断能力を有するとはみなされていないマッサージ師が理解し、手当てしてくれる。

あるいは、どでかいブーメランな本なのかもしれない。

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