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2015年4月 2日 (木)

読物 『破壊する創造者――ウイルスがヒトを進化させた』

原題『Virolution』。VirusとEvolutionを足した造語だそうな。

化学のコトバに拒絶反応を示してしまう我が身は、ウイルスとバイ菌は同義、くらいの印象しかなかったが、本書を経て、ウイルスとは遺伝子を書き換える機能をもつ存在であり、ウイルス=病原体ではないかもしれない、という認識を得るに至った。
生物の遺伝子には内在性レトロウイルスというものが含まれており、その生物が過去に遭遇してきたウイルスの痕跡であるという。即ち生物とウイルスは共生状態にあるということらしい。共生には種類があり、片利共生=攻撃的共生とは宿主を病気にしたり死に至らしめる。逆が相利共生という。ウイルスとの遭遇初期はたいてい攻撃的共生状態にあり、淘汰と適応によって穏やかな共生になっていくというのだ。
内在性レトロウイルスはこれまでDNAの無駄な部分とされてきたが、生物に欠くべからざる働きを示すことがわかってきたという。ウイルスが付加した機能が生物を生物たらしめているかもしれないというのだ。

突然変異というと放射線とかナントカによるだろうとされ、特に明確な原因もなく発生するという印象だったが、ウイルスの働きによることも見逃せないらしい。
自らの遺伝子を他の遺伝子に挿入する働きを持つウイルスがこれを担うという考えは、なせだかとても受け入れやすい。あるかないかわからん要因より、なにかがやってるという感じがするからだろうか。

遺伝子というものがどのように働くかピンとこなかったが、漠然ではあるがイメージをつかむことができた。門外漢ゆえか、時として論理の飛躍あるいは省略を感じることもあったが、『銃・病原菌・鉄』と同様、刺激に満ちた読物だった。

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