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2012年2月 6日 (月)

読物 『グラマリエの魔法家族』

「科学用語は便利なもんだよ」ロッドはつぶやいた。「懐疑論者にも魔法を信じさせちまう。じっさい、さっきまで疑っていた連中がオーソリティに早変わりだ」
第三巻 P.112

「使い古された手がある――口コミ作戦ってやつさ」
「口コミがそんなに古い手だったっけ?」ロッドは人類発生以来五万年のあいだ繰り返されて来た、気の遠くなるような中小の歴史に思いを馳せた。

第四巻 P.114

「政府というものは大きければいいんじゃない。主要な決定をくだすにも大がかりな討論が必要になるし、地球の図体が大きくなりすぎたら、指導部には、ある問題について決定がなされ実行に移される以前に一般大衆の考えを把握することはできなくなる。すると、投票者は好まざる決定にも屈服せざるをえなくなり、ついには反逆に出る。反逆が沈静されたとしても、それは抑圧を生み、新たな反逆をはぐくむことになる。そして最後には、民主主義は崩壊するか独裁制に変形してしまうんですよ」
「ということはつまり、民主主義の広がりはコミュニケーションの面で限界があるというんですね?」

第五巻 P.48

和訳が出版されたのは1988年だが、原著は1969年らしい。1988年においても古臭いカンジはしないでもなかったが、今よりは無垢だったために気にならなかった。
シリーズは以下の通り刊行されているが、日本語訳されたものは"The Warlock Wandering"邦題『魔法使いさまよう!』まで。全巻所有していると思っていたが、所有しているのは"The Warlock Enraged"邦題『魔術師の叛乱』までだった。

Warlock of Gramarye
The Warlock in Spite of Himself (1969)
King Kobold (1971, revised as King Kobold Revived (1984))
The Warlock Unlocked (1982)[10]
The Warlock Enraged (1985)
The Warlock Wandering (1986)
The Warlock Is Missing (1986)
The Warlock Heretical (1987)
The Warlock's Companion (1988)[11]
Odd Warlock Out (omnibus) (1989)
The Warlock Insane (1989)[12]
To the Magic Born (omnibus) (1990)
The Warlock Rock (1990)
Warlock and Son (1991)
The Warlock Enlarged (omnibus) (1991)
The Warlock's Night Out (omnibus) (1991)
The Warlock's Last Ride (2004)

古き良きエスエフ!
三巻までは初読のときより楽しめた。
四巻からはシリーズ物にありがちなアレというかナニがちと困ったカンジで、邦版全七巻中六巻までしか持っていない理由もなんとなく察せられる。
「ロストコロニー」や「魔法を超能力として扱う」モノの原点はどの辺にあるのだろう。作者であるクリストファー・スタシェフは『ハロルド・シェイ』シリーズを愛読していたというが、個人的にはこれに類する小説作品を並べたてられるほどに読んでいないということか。個人的に知らないだけで、欧米の読者らが辟易するほどの数が存在しているのだろうが、思いつくのは『パーンの竜騎士』くらいだ。

Warlockには「詐欺師」に類する意味があり、そのあたりを汲んで邦題やシリーズ名に活かせなかったものかと思いもするが、言葉の壁は乗り越えがたいものなのだろう。
その昔『ウォーロック』という映画をビデオで見たことがある。『ハイランダー』が公開された頃のことだ。どう見てもZ級だが、悪役たるウォーロックが終始無言だったり、人間の脂肪とかを触媒にして魔術をかけたり、当時の我が身には斬新だった。魔法使いや魔女という言葉に対する根本的なイメージの違いは、言葉と同様のナニカがあるようだ。

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