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2012年2月21日 (火)

読物 『告発は終わらない ミートホープ事件の真相』

 4 偽装の天才
 豚肉から牛肉を作り出す楽しみ

 ミートホープに入社したころの赤羽に会った知人は、赤羽が田中のことを「社長はすごいアイデアマンだ」と褒めていた、と記憶している。実際、田中が断罪されて刑務所に入っているいまも、赤羽は田中のことを「天才なんだな、うん」と繰り返し認めている。
 肉をどう配合し加工すれば、うまくて安いものを作り出せるか。大きな利益を得ることができるか。それで食中毒を出すわけでもなく、消費者をだましつつも満足させ、かつ悪びれずに儲けるという才能が、田中にはあったのだ。実際、そうと聞かされるまで消費者は誰もそのことに気づかなかった。

P.52

創作では、バカ王子がこのような才能を有していたことを思い出す。

食品衛生に対する個人的意識は、発揮されるときは発揮し、そうでないときはそれなりに、である。腹の調子が悪い時は、賞味期限を一日過ぎた牛乳は飲まない、とか。
いつからかコンビニ弁当を一切食えなくなったとか。
ジャムを自作したことから、レシピのアレなることともども、劣化の速さに驚異を感じて以来、店頭に並ぶジャム類の賞味期限に不気味なものを覚えるようになったとか。
滅多に買わない冷凍海老フライを買ってみたら、揚げる前に尻尾がとれたりしてなんだか怪しく、食べてみたらどうも食感がすり身っぽいカンジだったりしたとか。
蛍光色の駄菓子を無邪気に喰っていた頃が懐かしい。

ピンクスライム肉という語を目にして、本書を読書リストに加えていたことを思い出した。『反転-闇社会の守護神と呼ばれて』を読んだ頃に、あれこれWEBを漁っていて見つけたのだと思う。2010年のことだ。

事件そのものよりも、公務員に対する感慨が深いのは書の作りのせいか。

『ドラゴンランス戦記』には愛すべきGnome族が登場する。発明好きなのだが、神々の呪いのせいで常に成功せず、ろくでもない機械を作ってばかりいる。
例えば、巨大な山をくりぬいた一族の住処がある。モノゴトの由来を名にこめる風習をもつGnome族はこの山にもそれはそれは長い名前をつけたものだが、他種族のある騎士がその名称説明を遮って「もうけっこう」と言ったところ、その見事な要約に感銘を受け、以後、「もうけっこう山」("Mount Nevermind")と呼ばれるようになった。
さて、「もうけっこう山」内部の階層を行き来するために開発された装置がある。地上階から上層への移動に用いられる装置は、投石機と同じ機能を有する「ノーム投げ機」である。事故発生は皆無どころではない。
ノーム投げ機で事故が発生した場合、その原因を調査する委員会が速やかに組織され、調査する委員会を監査する委員会が速やかに組織される。「ノーム投げ機」そのものに対する見直しは図られない。
余談だが、時間航行装置を発明したGnomeは、失敗しない発明は成功の母にならないと自らを無能扱いしていた。

ためのための仕事というのは、改善を意図したものでなければ、無駄にしかならない。そういう無駄を国家が出した場合、税金を投入するのはやめていただき、個人ないし組織に対する罰金として徴収していただきたいものである。そういう制度は仕事をしなくなる体質を作るだろうが、どうせ仕事をしないんだから、同じことではなかろうか。
というか、公務員の昇級制度がすでにそのような形になっているような気がする。

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