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2012年1月22日 (日)

読物 『ムレムの書』

「さ、どんなものか。ここに住んで、私は二つのことを学んだ。一つは、時の過ぎかたは速すぎるか遅すぎるかの二つに一つだということ。こっちに都合のいい速さでは絶対に過ぎてくれない。時は王よりも厳しくわれわれの人生を支配するのだ。そして、もう一つ。なにも当てにするな、ということを学んだ。なにも、誰も当てにするな。当てにできるのは自分だけだ」
第五巻 P.50

 セヴェラックは言葉をきって、カジェットの顔を探るように見つめたが、ピンクの化粧ガウンを思わせる表情はなかった。

第七巻 P.143

原題"GUADIANS OF THE THREE"。
第一部"LORD OF CRAGSCLAW"(訳書二分冊)、第二部"KEEPER OF THE CITY"(一冊)、第三部"WIZARD OF TIZARE"(二分冊)、第四部"DEFENDERS OF AR"(二分冊)、邦訳七冊のシリーズ作品。

主にファンタジー作品を読み漁っていた二十年前、本シリーズにはファンタジーらしからぬ作品であるという印象を得た。ネコ型人類、トカゲ型人類、『ダーコーヴァ』や『パーンの竜騎士』めいたサイキック風味な魔法、という外見的な飾りつけは、飾りつけにしか過ぎないと未熟なりに直感したのであろう。
SFだとかファンタジーだとかいうけれども、ガジェットがそうであるだけで、物語そのものが斬新であることは滅多にない。本シリーズは、ネコ型人類の皮をかぶった、軍事、陰謀、諜報のドラマだが、未熟だった初読の当時はかなり斬新だったに違いない。

どうにも捨てられない本というものはあるものだ。

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