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2011年9月 2日 (金)

読物 『ソードアート・オンライン〈2〉アインクラッド』

EQJEでは、英語版経験者がそれはそれはものすごいスタートダッシュをかけたそうである。後に聞いたところではブロンズ装備とTinkering装備でVox、Naggyを倒したという。我が身はといえばEQJEが初めてのMMORPGで、フレンドにもレベルで置いて行かれるような具合だったから、そのすごさを体感するのは随分と後になった。
知らず厨筆頭といわれるクラスをやっていたためか、ログイン時間が遅いためか、グループに参加できない日も続き、低レベルでフレンドとなった方々と再会するのは、これまた随分とあとのことになる。わりと寂しい思いをしながらも続けていたのはやはり面白かったからだろう。
あるとき、ギルドに所属することになった。ギルドに所属しても恵まれない特質は変わらず、生産に打ち込むようになった。2Accを始めたがギルドに参加させなかったのは、そういう微妙な状況があったためだと思う。
まったりとギルドに参加しながらも、廃は次第に覚醒していった。オープンレイド団体に参加し、獲得したレイドのノウハウを活用してギルドイベントを企画し、当時人口減少が顕著になり始めていたEQJEで、一時とはいえ所属ギルドの人員減少に歯止めをかけることができたと自負している。そのせいでいろいろ言われもしたが、善意が悪意にとられることを諦念とともに受け入れることを覚えれば、たいしたことでもない。
とはいえ、いろいろとあれば、モチベーションを維持することは難しい。ギルドでの最後の生活は、もっぱら2Accによるソロ、あるいはギルドには非公開の低レベルキャラで新境地の開拓をすることだった。微妙な雰囲気は続き、ギルドに所属する意味を見失っていたといえよう。
拡張セットが滞って短からぬ日々が過ぎ、JEオワコンwみたいな空気の中、終わるならトップ集団の雰囲気を知っておきたいと思うようになった。トップ集団のメンバーリストを見ると、我がメインキャラたる厨クラスがいっぱいいる。数の少ないクラスなら拾ってくれるだろうと、しこしこと育て始めた。いざ所属してみたら、リストに載っていないメンバーが結構いて、そのクラスはあまり気味だったことは余談である。バードにしておけば良かったヨ。
世話になったギルドには、誘ってくれた人もPOPしなくなっていた。どう思われていようとも、感慨深いものがなかったわけではなく、決断に随分と時間がかかったものだが、ついに退会し、トップ集団へ移籍した。キャラの質は問われなかった。
その後EQJEはサービス終了となり、移管した米鯖でも同集団に所属し続け、それなりに攻略に貢献したつもりではいるが、仕事の都合上、断念せざるを得ず、半端な形で引退することになった。

著者は、トップ集団に所属した経験をもたないという。それゆえか、それっぽい集団内の描写は弱い。確執しかないとでもいいたげな風ですらある。UOのプレイヤーだったのだろうか。
所属した経験からすると、BBSや動画、2chから、それらの雰囲気を感じることはできる。攻略がメインな団体であるからして、プレイヤースキルの向上やレベリングなどは当然のことで、その点だけを見れば厳しい集団ではある。だがそれは覚悟の上の筈で、たかが遊びで罵倒されるのはどうなの?という不満を匿名ではらそうというのはおかしい。ゆえに、第三者的な観察ではネガティブな情報を獲得しやすいといわざるを得ない。
だが、それを望んで交わってみれば、廃度が高いとはいえ、それなりに和気藹々とした集団であることがわかる。スポーツにたとえるなら、勝つことよりも体を動かすことに主眼を置くか、勝つことに主眼を置くかで、トレーニングの方法もチームの雰囲気も変わるだろう。それと同じ事だ。勝ちたい集団に望んで所属して不満たらたらというのは、スキルが圧倒的に不足するプレイヤーに多かったように思う。練習不足かセンス不足かはともかく、勝ちたいチームに一向にスキルが向上しないプレイヤーがいたら、非難されずにはいられまい。なんにしても、そのようなつまらん確執は、かつて所属したまったりギルドも変わりはなかったが、注目度からして後略集団に関するものは目立つということなのだろう。
作品内に登場する<軍>というギルドのありようは、EQJEに存在したとあるギルドを想像させるものだったことは余談である。

本書は、ハーレム系な短編集である。一巻と同様、最初の30ページくらいがやはり辛かった。
蔑まれたり感謝されたり、レアアイテム獲得のためにこもってキャンプしたり生産したりというようなことがいちいち思い出されて、作品の出来を補完してしまっているのではないかと思わなくもない。
既知の中で似たような風合いの作品を敢えてあげれば『イートマン』で、面白いと感じるのだが、主人公ツエーな予定調和なので、どことなくシラけるというか、そんなカンジ。

一方、大学時代所属したサークルでは「NPCの大冒険」という言葉がつくられた。
PCはオマケで、NPCが事態を解決してしまうようなシナリオおよびマスタリングを表現したものである。他の言葉におきかえるなら超展開、デウス・エクス・マキナが近いか。
非公開ながらそんなシナリオを作ってしまった過去もあり、自戒をこめつつも、その犠牲になった身の上としてはありったけの念を込めて使用させていただいた。

数値などゲーム的な表現を恥じることなく使用できるバックグラウンドをもつことがこの物語の強みではあるが、FF2の時代から現在に至るまで臆面もなく演出されるようになったNPCの大冒険は、やっぱりたまらないなあと思うのである。


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