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2011年8月 8日 (月)

読物 『北方領土交渉秘録 失われた五度の機会』

 一方で、鈴木氏からの『風圧』という問題が存在していたことは事実です。ただし、私の認識では、鈴木氏の風圧は外務省に向けられたものではありませんでした。特に外務省に対する風圧が強いと感じられたのは、風圧が発揮される原因のほとんどは、『ほうれんそう』、即ち、『報告・連絡・相談』の欠如という、外務省が永田町の先生方から恒常的に批判されていた要因に収斂していたからです。
P.26

「従って私は、辞表は書きません」
 担当者は無言だった。しばらくの沈黙の後、私はこう付け加えた。
「ただし、外務省において、なんらかの理由によって、『貴方に与える仕事がない』という判断をするのであれば、私は、その判断には黙って従います」
 そう述べた上で、私はその場に持ち合わせていた西郷隆盛の『南州翁遺訓』や幕末の儒者、佐藤一斎の『言志四録』から西郷が自ら撰んで座右の誡めとしていた『手抄言志録』からの一節を示した。当時私は、有人が贈ってくれたこの一節を、朝な夕なに眺めては、一日一日を過ごしていたのである。

<およそ事をなすには、須く天につかうるの心有るを要すべし。・・・・・・天を相手にして己をつくして人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬるべし>

 担当者が私の気持ちをどう受けとめたかは、知るすべもない。しかし、数秒の沈黙の後、彼はこう言った。

「なるほど。東郷さんは、切腹ではなくて、打ち首を望んでおられるのですね」
 この言葉を聞いたときに、私の中で何かが壊れ始めた。

P.30


対立するような交渉ごとは苦手だ。
少なくとも、『ディプロマシー』というボードゲームではロクでもないことにしかならない。
世界はいつだって動乱している。
だから、そんな感慨を抱くのみ。

ほうれんそうが身に付かない人は、責任感が欠如しているのだろうと思う。覚悟があってそうしているわけではなく、いつでも付け焼刃で場当たり的で、反省はないか、あったとしても振る舞いに反映されず、保身だけは必死になる。


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