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2011年7月17日 (日)

読物 『日本共産党』

 日本共産党の選挙総括で特徴的なのは、「共産党の方針・政策や党中央の指導は、いつでも正しい」ということだ。

P.154

 ①まず政策・訴えは意義があった、正しかったと必ずいう。②議席を減らした場合は、いかに困難な条件であったかを強調し、その責任を自民党や民主党、メディアなど他者に転嫁する。③次に何か良い指標はないかを探し、あればそれを最大限に強調する。時には得票数、時には投票率。無意味な比較なども適宜おこなう。④どんな情勢にも負けない大きな党をつくるためには党員と機関誌「赤旗」を増やし、党員の水準を引き上げ活動参加率を高める必要がある、と党員を叱咤する――。

P.155

反省』には、本書がいわゆるムネオ事件に関して『反省』の内容を補完しているとも取れるように紹介されていた。少なくとも、そう受けとめた。ムネオ事件について知識を補強したいと望んだので着手してみたが、この望みは果たされなかった。
本書は、長年共産党に所属した著者が、離党した後に組織を振り返るというもので、 先だって読んだ公明党離党者の著作と風合いが似ている。

政治のことはよく分からないので、組織論として読んだ。
著者は共産党特有のこととして著述しているが、個人的経験からするとそうではなく、自浄作用を失った組織に共通の現象と思える。一般的にわかりやすい例を挙げるならば、国民が官僚組織に抱くイメージと相通ずるのではないかと感じられる。

  • 鵜飼いは方針決定を上意下達とするが、鵜飼いの意図を読み取るための決定的情報は鵜には伝わっていない。鵜飼いはなにを目指しているのか説明しようとしない。それで上手に鵜を飼っている気になっている。誤りが発生して初めてそれが基本方針であることが伝達される。
  • 熱心な構成員に負担をかけながら、不熱心な構成員を平等に扱い、熱心な構成員の疲労感を募らせ、それが結果的に組織を弱体化させる。組織に十分な体力があるうちは、このようなスパイラルに耐えられるが、弱体化は免れられない。
  • 責任の所在が不明確で、明確に因果関係を追求できないがために、あるいは因果関係を明らかにすると鵜飼いの責任が追及されるため、その場では事なかれ的に結論が導かれるが、後にスケープゴート的な裁定が下される。

個人的に所属する組織が、似たようなスパイラルの渦中にあると感じている。
心当たりのある上位構成員は、是非一読あれ。

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