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2011年5月29日 (日)

読物 『アンブロークンアロー』

「肉食は本能的に共食いを連想させるので、それに対する言い訳が発達する、それがソフィスティケーションというものの正体なんだそうです。戦闘機への給油を授乳にしてしまうネーミングセンスもそこから出ているんだろうってことですよ」
「おれはそんなことは意識したこともなかった。――高度九千を維持しつつ索敵警戒だ。少尉、周辺警戒を怠るな」
「イエッサー」
「しかし、共食いの言い訳だなんて、どこでそんな知識を仕入れたんだ?」
「ロンバート大佐です。人間は自らの残虐行為から目をそらすための方便を発明しては、さらに行為をエスカレートしてきた動物だ、とか。いつ、どういう話題でだったかは忘れましたが。人間は、リアルには耐えられないのだそうです」

P.296

前作『グッドラック』はマジ苦痛だった。
本作の五章『ブロークンアロー』まで、それが続く。
文章も神林長平なら登場人物も全て神林長平で、自分語り、俺哲学の講釈が延々と続く。
そんなカンジだった。

本作の要約を試みるならば、『U-18は知っていた』に、CATシステム86を上乗せしたようなもので、それにウダウダとノルマを乗せているようなハナシである。

全否定なイキオイで読み進めていたが、最終章『放たれた矢』には爽快な開放感がある。
神林長平には珍しい、といえるほど著作を網羅しているわけではないが、そんな印象を得た。『永久機関装置』で神林長平はブレたと感じたものだったが、ブレたのはどうやら読者である我が身であったようだ。
間違いなく続編は書かれるだろうし、読むだろう。
『グッドラック』も読み返してみるか。


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