« 読物 『猫物語 黒白』 | トップページ | 読物 『ザ・古武道 12人の武神たち』 »

2010年11月13日 (土)

「彼」との対話

『アップルシード』から二十有余年。
ESWATで飛び交う多国語に、演出とはいえいささかやりすぎちゃうのんとか感じないわけではなかったものだが、自らの身に似たようなことが起ころうとは思わなかった。

日本語と、英語と、仏語と。

話題はあるが言葉が通じないというのはもどかしいもので、いろいろと断念した話題もある。
そんな中で、拙いながらも為し得た話題は、

  • 趣味
  • 合気道
  • グレンダイザー
  • フェンシング
  • 薔薇の名前
  • カソリックの地獄観

などだった。

「彼」は、幼い頃に柔道の経験があり、フェンシングを四年やり、現在は合気道をやっている銀行家である。
熱心なカソリックで、休日の過ごし方を聞いたら Pilgrim とかいう。最近どこかで聞いた言葉だとおもえば『オブリビオン』で、同ゲーム中では贖罪のための巡礼を指す。巡礼が趣味って!

合気道について。
仕事が忙しくてあまり行けてないらしい。一週間連続で通えることもあるらしい。
彼の所属する団体は白帯と黒帯しかないらしい。段位は取得していないらしい。

グレンダイザー。
どういう流れか、なんか突然アニメの話題になり、「彼」答えて曰く、『ごるどらっく』というアニメを見ていたという。ジェスチャーその他でそれはグレンダイザーであるらしいことがわかった。調べたところによると、フランスでは最高視聴率100%だったようだ。
その他、『キャプテン・フューチャー』や『コブラ』も見ていたらしい。サイコガンを撃つゼスチャーをした。右腕だったけど。

フェンシングについて。
日本の武道に見受けられるような昇級制度はあるらしいが、詳しいことは知らないという。四つぐらいランクがあるらしい。流派というかスクールがいっぱいあるらしい。居合のようにリアルソードを用いることはないらしい。前後にしか進んではいけないらしい。
「彼」は、あの細い剣先を見切れるという。すげえ。

『薔薇の名前』について。
映画を見て、小説を読んで、しかし哀れな我が脳は『薔薇の名前』の意味をしかと確信するに至らず、カソリックならばあるいはわかるのではと考え、コレ幸いと話題にしたわけだが。
「彼」曰く、薔薇とはアドソと出会った女性のことであるという。
かつて我が身はそれとは異なる印象をもったはずなのだが、それは思い出せず、なるほどそうかとせざるを得なかった。

カソリックの地獄観。
なぜだか、カソリックというかキリスト教に輪廻転生ってあるんだろうかという疑問が浮かんだ。唐突に、脈絡もなく。かつて気になったことはあるが、真面目に調べたことはない。デジタルデビルによるとあるらしいとか、その程度の知識しかない。
さて、「彼」曰く。煉獄にて裁きを受け、あかんかったら地獄へ堕ちる。地獄へ堕ちたらそれでおしまい。ノーチャンス。
人生は公平じゃないよね、それでもノーチャンスってのはシビアだねえ、というと、要は意志の問題であるというようなことを語ってくれたが、返す言葉が思い浮かばず、中途になってしまった。

そんな話題がいーかげんな英語でなされたわけであるが、Heavenが「ひーぶん」と発音されたり、フランス人の英語発音について事前に警告されていたにもかかわらず、聞くとやるとじゃ大違いで、ただでさえヒアリングが覚束ないのに、ハードルがあがったカンジだった。

母を安心させるために「彼」から言葉を引き出そうと遠回しにほのめかしてみたりとかしたのだが、あちらには「娘さんをください」的な風習はないよう で、なかなかその一言を聞き出せない。最後には、「意志を言葉にして母に言ってくれないか」ということを、妹から「彼」に伝えさせた。言葉は虚しいものだが聞けば安心するもので、言葉を引き出せたときは、我が身もほっとした。

十日ほどの滞在を終え、「彼」は帰る。
一つのヤマ場を乗り越えたわけだが、本番はこれからで、このあとどう転ぶかまだわからない。再度渡仏するまで妹は、Skypeで「彼」とコミュニケーションするつもりらしい。フランスに持って行く用に、わりと高いノートパソコンを妹に買ってやってくれたので、現時点ではその気なんだろう。

握手をして「おーぼあーる」を告げた。
この言葉には「また会いましょう」の意味も含まれるらしい。だが、願いを込めて、付け加えた。
"See you again"
と。

いろいろとあったが、よい経験ではあった。

« 読物 『猫物語 黒白』 | トップページ | 読物 『ザ・古武道 12人の武神たち』 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

言葉は引き出せたようで、何よりですね。
しかしフランスって遠いなぁ(笑
というかどこにあるのかすら私には!

『薔薇の名前』は、だーいぶん前に小説だけ読みましたが、「薔薇って何?」という疑問すらまったく浮かびませんでした。
基本的に読むのが苦痛な本であり、コンチクショと思いながら読んだなぁ。オレはバテレンちゃうからしゃあないわ、とか思ってましたが、単純に教養と読解力の問題ではあったかと(笑

『銃・病原菌・鉄』を読んでいるのですが、食糧となるものとの出会いと変遷が文化の方向性を定めるとしており(意訳)、『シヴィライゼーション』だなあとwktkしながら読み薦めております。
古代人はン万年かけて世界中に広がったそうですが、そんなスケールに身を置いてみると、どこにあるのかわからん国でも、たかだか飛行機で一日・・・
・・・
俺様ちゃん、結婚式に出ることになるのかなあ・・・

読書にも出会いがあり、そのタイミングによって印象も変わることと思います。
ゆえに再読は楽しみな作業なのですが、若いころに耽溺したものが読み返して痛かったりすると・・・

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/542052/50020063

この記事へのトラックバック一覧です: 「彼」との対話:

« 読物 『猫物語 黒白』 | トップページ | 読物 『ザ・古武道 12人の武神たち』 »

フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック