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2010年10月26日 (火)

2010年10月22日(金)

長い一日だった。

親族と相談し、葬儀屋と諸処を詰め、縁戚者に連絡を取り、旦那寺にお伺いを立てる。

父は仏事に熱心で、旦那寺の門徒会会長職やその他役職を引き受けていたが、息子はその限りではない。

無知たる身の上を恥じる暇もなく決定に次ぐ決定を迫られ、都度、親族に助けられ、ことごとを決した。

「結婚式には100点満点はあるが、葬儀にはない」

血縁者たる叔母の配偶者たるおじは、葬儀執行を幾度も取り仕切った経験を持つが、そのようなことを言って励ましてくれた。結婚式は案内状を出し、あらかじめ予定されたことをこなしていけるが、葬儀はなにからなにまで読めないからだという。

忙しいさなかに、時折、空白のときができる。
父を寝かせた仏間に赴く。スイッチが入る。

昨日まではなかったスイッチ。あるとは知らなかったスイッチ。

駆けつけた時、父はすでにこと切れていた。
救急隊の説明を聞きながら、父の姿を見下ろしていた。

なにも感じない。

ああ、俺は冷酷な人間なんだなと思った。

自宅で死去した場合は、いかなる場合でも警察の調査が入る。やってきた警察官に、そう、説明された。父との接触を断たれた長い長い調査の後、ようやく、父との面会を許可された。
このとき、スイッチは起動した。

父の顔を眺めながら、入りっぱなしのスイッチを切ることもできない。誰かが呼ぶ声を聞いて、電話のコール音を聞いて、我に返る。スイッチが切れる。

そんなことを繰り返しながら。

とにかく長い一日だった。

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