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2010年9月17日 (金)

漫画 『栄光なき天才たち』

YJで『孔雀王』が連載していた頃、唵阿毘羅吽欠蘇婆訶とか九字を一生懸命覚えようとしていた頃のこと。

中二病まっさかりのそんな頃、読みはすれどもほとんど関心を持たなかった作品の一つに『栄光なき天才たち』があった。偉人の伝記に興味はなくもなかったが、タイトルの謳い文句通り失意の内容であること、当時の我が嗜好にマッチしない絵柄には、惹かれるものがなかった。

ふと思い立って旧コミックス版全17巻を通読してみれば、若き日々の感想を苦々しく思い出させられるほどに、面白いものだった。
昨今の興味とクロスオーバーし、しかもダブっていないエピソードも紹介されている。物語作品であるからには脚色もあろうが、ダイジェスト、イントロダクション、インデックスとしてまことに得難いものである。

以下は個人的クロスオーバー分についての、Wikipeidaからの抜粋。

単行本第3巻

    * 鈴木商店(総合商社の源流、戦争成金の代表などといわれる戦前の企業)

単行本第4巻

    * 北里柴三郎(北里研究所を設立した科学者、世界で初めて血清療法に成功した)

単行本第6巻

    * 理化学研究所(日本の近代科学を築いた研究所。3代目所長の大河内正敏と、鈴木梅太郎・寺田寅彦・仁科芳雄らの科学者を中心に、戦前から戦中期の様子を描く)
    * 平賀譲(軍艦設計者。戦艦大和の設計にも携わった。通称「造船の神様」)
    * 立松和博(昭和20年代の読売新聞記者。売春汚職事件に巻き込まれて失職、自殺した)

単行本第10巻

    * 川島雄三(日本映画界の幻の巨匠。代表作『幕末太陽傳』は日本映画史上最高傑作のひとつに挙げられる)
    * 島田清次郎(戦前、『地上』を執筆し空前のベストセラー作家となるものの、文壇から存在を抹殺された小説家)

単行本第15巻

    * 満鉄超特急あじあ(戦前、満州国において世界最速を目指した特急列車「あじあ号」とそれに携わった人達の軌跡)

単行本第16巻

    * 名取洋之助(日本人初の世界的フォトジャーナリスト)

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コメント

おもしろくもフカシくせぇなぁという記憶ですが、私としては、好みの系統の絵だったのですよ。うまくはないけどなぁ、とは思ってましたが。
人見絹枝なんかはこのマンガで存在を知ったような。そういう意味ではありがたいマンガでありました…というのは記憶違いだったりして。

なんというか、ウンチクマンガというよりもコラムマンガ、みたいな印象があります。よくも悪くも。

この作品が連載された頃、この手の画風がすげー横行したような記憶があります。(この作品はフォロアーだったと思います)
たぶん、それらのうちのどれかが気に入らなかったのでしょう。中二的精神汚染によって、同類項皆敵としてしまったのでしょう。

連載の中盤までは一話一人物の体裁を保っていたので、「コラムのような」という印象をもたれたような構成はいたしかたないものなのでしょう。
あるいは、YJの読者層について高度な政治的判断があったのかもしれません。

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