« 【5年3組】ベヨネシタ【ベタすぎる】 | トップページ | 読物 『宮本武蔵』 »

2009年11月 9日 (月)

読書 『真説宮本武蔵』

大山倍達正伝』に記述があり、司馬遼太郎が宮本武蔵を書いていたことを知る。
本書は短編集で、宮本武蔵、千葉周作、森要蔵、栃尾源左衛門、ユイズという名を残しているらしいバスク人、が扱われている。
武蔵、千葉以外は、名すら知らなかった。

なるほど、大山倍達は、武蔵に大いに学んだのだろう。そんな風に思われる。
表立っては吉川の武蔵像を行き、実際のところは司馬の武蔵像を行った。そんな印象を受ける。

宮本武蔵という人物については諸説あれど、いずれも豪力について触れられていることが共通している。粗野粗暴であったが、沢庵和尚によって調伏されたという像が一般的であろうか。司馬の武蔵像は、吉川英治が語る武蔵像よりもはるかに智略に富み、二十代から書画などの手慰みを覚えまた自ずから禅へ傾倒していったことが語られ、武一辺倒というものではない。
島原ではロクな働きもできず、城壁を登ろうとして落石に打ち落とされるなど、マンガみたいなやられっぷりを示していたりもする。そんな例が示すように、剣による立身はついに適わず、晩年は逼窮していたというがさにあらず、彼が望んだほどのものではないが後援者に困ったことはないらしく、書画や彫刻などの手慰みも手伝って、金には一生不自由せずにいられたらしい。
剣を手にすることがなかったならば、万能の天才として後世に名を残した人物かもしれない。千葉周作も同様の性らしく、もう少し遅れて生まれていれば学者になったであろうと司馬はいう。

司馬の筆致は実に巧みで、遅れて時代小説に取り組み始めた我が身を誘ってくれた隆、池波などと似た風合いがあり、いっそう過激である。読みながら、物語とは無縁のところでスゲー嬉しくさせられてしまう。この感覚は実に稀である。

とはいえ、あまり熱心に著作をあたっていないことからすると、どうにも縁が薄いらしい。
巻末に司馬の著作リストが掲載されているが、その量が膨大すぎて笑わずにはいられなかったことは余談である。

« 【5年3組】ベヨネシタ【ベタすぎる】 | トップページ | 読物 『宮本武蔵』 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

おっと、司馬はそこそこ読んでいるのだけど、これは読んでなかった。

タイトルを見たときは、宮本武蔵ではなく、宮「元」武蔵というのが本当という真説を説いたのかと思ったよw
AMAZONに聞いてもかからなかったんで、ふつうに宮本武蔵と入れたら出てきた。
そのまま注文しましたw

今夏、井上雄彦のバガボンド展に行って、そのまま霊厳洞まで足をのばしました。
その縁もあると思って読んでみるよ。

先々月くらいに「世に棲む日日」と「花神」を続けて読んだんだけど、なかなかに風合いがあった。
司馬の語りは独特だね。よく余談になるしなw
内容が正しいかは置いておいて、司馬史観の、どこまでも「小説」として読めるのなら、司馬遼太郎は最高に面白いひとりだと思います。
最近は司馬史観を否定するような本(別宮暖朗など)を何冊か読んでいるのだけど、それでもぼくは一切「司馬」は否定しません^^

え、宮本は宮元?異説があるんですか?(まさか誤変換?)

うちの居合いの師匠がレプリカですが、武蔵が描いたという文人画を道場に飾ってます。
一本すらっと伸びている枯れた感じの木だか草だかの先っぽにスズメ(かな)が止まっている絵です。
「複製だから本物の迫力はないけど、こういう構図とか何かやっぱり凡人とは違うなあ」
とか言ってました。

いわれてみると、禅っぽい絵解きができそうな絵ですわ。

細かいところは後の人が勝手に作っっちゃったところもあるかもしれませんが、まあ、当時の形式で試合をやっていって死んでないということは負けなかったということですよね。

すごい人だったんだろうなあ。
周りの人は大変そうだけど。

orz
修正いたしました。予備マシンはほったらかしだったので、「できてない」ようです。

>AMAZONに聞いても
アフィリエイト押すとこだろw

司馬をあまりしらないので、司馬を否定する内容に着手するとしたらそこそこ読んでからになると思われるが、いつになるやらwwwってくらい著作がありすぎる。

つっきー様

えらいご迷惑おかけいたしております。
誤変換でございましたorz

武蔵若かりし頃の時代は、いわゆる「武術」というものは技芸の一種であり、集団戦闘において学ぶべき価値のあるものという認識ではなかったようで、現代においてK1を見るような感覚で一部の好事家が楽しんでいたにすぎなかったようなことが書かれています。
千葉周作の時代には、形骸化した古流と竹刀剣道の対立があり、対照の焦点となるものの変遷が見受けられます。この対立に類するものは、現在も続いているようですね。

あら、やっぱ誤変換でした?

そういえば、「豆しば」の豆知識に「昔の武士は芸能人というカテゴリーに入っていた」って言うのがありました。

剣道と居合いは表向き日本剣道連盟という一つの団体がしきっておりまして、仲良しを装ってますが、人によっては「居合いなんて、打ち合いのないものは踊りだろ」とか、「剣道をいくらやっても真剣を扱えるようにはならないぜ」とかいって相手を見下そうとする人もいるようです。

中には「両方修めてこそ真の剣術家」とまじめに両方やっている人もいることはいるんですけど。

私の居合い友達(韓国出身の女性)も両方やってます。

私はもともと剣道では段は取れても試合に勝ったことがない鈍チンで、トシのせいもあって、今は居合い一本(さぼりがちですが)です。男性には高齢の剣道家の人もいますが、女性では高齢の人はいるかもしれませんが見たことないですね。

最近、いろんなスポーツで体幹が重視されはじめているようで、先日も、四肢の鍛錬よりも体幹部の鍛錬のほうが効果が高いということらしいと、スポーツインストラクターからご教授いただきました。ボディーバランスを整えることによって、運動能力が高まるという話でした。

型稽古の中には、俗にいう身体を練る動作が含まれており、正しく行うならば体を育てるものであろうという思いを抱いているのですが、創設より半世紀強にすぎない当流についても正しく伝統されているとは言いがたく、そもそも規範があるのかという疑念も抱きつつ、基本の重要さを噛み締める昨今であります。

昔、司馬遼太郎の小説は、著書目録とニラメッコしながらコンプしました。エッセイはかなりスルーしてますけどね。
だから読んだはずなのですが、憶えてないです、この短編。
まあ、著書の量がアレですから(笑

私にそこまで読ませただけあって、物語作家としての力量は最強レベルだと思ってます。どれもこれもおもしろいんですよね、これが。
まあ、その反面というか、「オレは平成の坂本龍馬だ!」という人には泣かされました。アレはお話なんだから、まともに取るなよぅ!
そのあたりの迷惑を、司馬にはあの世でちょっと反省してほしいと思っています。

『北斗の人』が千葉周作モノでしたね。あれもおもしろかったなぁ…。

コンプ!
司馬マニアにご質問させてください。
ズバリ、こんな私にオススメの司馬は!?

ごめんなさい! 前言撤回、「コンプしたはず」です。ぜったいぜんぶ読んだのかと訊かれると、読んだはずだとしか言えません(笑

あと、司馬マニアってわけじゃなく、一時期ドハマリし、離脱したのです(笑

オススメは、やっぱり『北斗の人』ですかねぇ。千葉周作ネタの長編です。
私、司馬史観なオヤジ連中に一時期苦しんだので、リアル銀英伝みたいなのはよう薦めません(笑
『北斗の人は』剣豪小説に近いので、今でも非常にいい印象を持っています。

やっぱチャンバラですよ、チャンバラ(笑

司馬は数作しか知らないので、私より一作でも多く読んでる人はマニア認定(ry

さておき、千葉周作には先入観もほとんどなく、読むにちょうどよい主題であるかもしれません。読んでみまする。

>司馬史観なオヤジ連中に一時期苦しんだ
kwsk w

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/542052/46709461

この記事へのトラックバック一覧です: 読書 『真説宮本武蔵』:

« 【5年3組】ベヨネシタ【ベタすぎる】 | トップページ | 読物 『宮本武蔵』 »

フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック