« だいきょうきん理論 | トップページ | アニメ 『Phantom~Requiem for the Phantom~』 »

2009年9月24日 (木)

漫画 『釣りキチ三平』

唐突に読みたくなり、しかしその膨大なるに思うに任せず、一年くらいかけて、KCSP全37+1巻読了。

少年期に手を染めていながら趣味となりえなかったホビーはどれほどあるだろうか。
我が身にとって自らそれと認めるものは二つ、将棋と釣りである。

どうも、ゲーム規模に比してユニットの価値が大なるゲームは苦手らしい。将棋やチェス、碁、ディプロマシーなどがこれに当たる。ユニットの自由度が高い場合はこの限りではなく、戦闘級SLGやトレーディングカードゲームなどは条件が対等ならば成績は悪くはなかろうと思われるが、運が悪い分負けているかもしれない。
要は、戦術や戦略に向いていないということになろう。将棋やチェスはその際たるものか、これまでに幾度か、上達を図ったが根気が持続せず成果はない。

釣りも同様である。
幼少の折、近所の汚い川にも平気で足を踏み入れることができるほどに胆力のあった頃、友人たちのブームに乗って釣りに手を染めたことがあった。友人がなかなかな鯉をヒットさせて、釣ってる最中は興奮これ極まったものの、釣り上げては、これどーすんの?的な思いを抱かされたことがある。近隣に手頃な釣り場所がなかったこともあってか、ローカルブームが去るとともに疎遠になった。
社会人になって一度、ツーリングキャンプの暇つぶしになるかとリトライしたが、第一投でえらいことになり、これはアカン、どうにも縁がないらしいとあきらめた。

だから、再読に駆られたのは、釣りという要素にではなく漫画という要素に魅かれたからであろう。
通読はしていなかったものの、一平じいちゃんの死で始まる最期のエピソードも知らぬではなく、中途半端な読者ではあったが、実に丁寧に書き込まれた背景とともに記憶に残るシーンが幾つかあり、再読して、ああ、ここが読みたかったんだなあという場面を見出すことができた。最大のものは一平じいちゃんの死である。実にいい顔で逝っている。

我がことであるが、同居していた父方の祖父は、苦しい死に方をした。
闘病は記憶にないが、肺癌で入院し、寒い時期のことで肺炎を併発し、末期は呼吸困難に陥ったと聞いている。自ら酸素吸入器を外し、逝ったとも。それは深夜のことで、小学生だった我が身は自宅で就寝していたが、逝く祖父の姿を夢に見て目覚めた記憶がある。
祖父がどんな顔で逝ったのか不明だが、通夜の顔は穏やかであった。

さておき、今回の通読で興味を抱かされた釣法が二つある。投網と、フライである。
投網はその体の運用に、フライもまた同様であるが、『A River Runs Through It』の影響も皆無ではあるまい。
とはいえ、清流が身近にない状況には変わりなく。

たがみよしひさの系譜は矢口―白土ラインなのかなあと思いを馳せつつ、キオクにあるよりも新右衛門さんではなかった魚紳さんや、脳内で自動再生される野沢雅子の悟空声に「まいったなや」と思わされたことは余談である。

« だいきょうきん理論 | トップページ | アニメ 『Phantom~Requiem for the Phantom~』 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

>矢口―白土ライン

ちと驚きましたが、少し考えて、ヒザを打ちました。
たがみはハイセンスな絵と構図の印象があり、どちらかというと泥臭いテーマを扱った矢口や白土とからめて考えたことはありませんでした。というか矢口と白土を結びつけたことさえなく。
しかしおっしゃるとおり。跳ねるような描線、独特のスピード感、印象的な目鼻のつくりは共通してますね。

>釣り

悪魔の趣味です。エバークエストよりももしかしたら(笑

しかし私も『釣りキチ三平』を通読したくなってきました。漫喫は家庭環境的に厳しいので、大人買いかなぁ…。

さて、次は『じゃりン子チエ』あたりでしょか(笑

公式HPによれば、矢口は手塚と白土を尊敬する漫画家に挙げており、Wikipediaによれば、ドラマ作りを梶原から学んだそうです。

一平じいちゃんの死後、魚紳さんにようやく再会するシーンがあり、その場面に意図的な強度のオマージュを感じた以外、表出する手塚の影響は見受けられず、もちろん梶原っぽさもなく、もっとも強い影響は白土なのだろうという印象であります。
さておき、マタギの話も読みたくなってきました。


>『じゃりン子チエ』
読みたいんですが、長くて・・・w

そうそう、「矢口高雄」の名付け親は梶原だったのですよね。
wikipediaが参照している斉藤貴男『夕焼けを見ていた男 評伝・梶原一騎』は、これはもうぜったいのオススメです。珍しく両腕をブンブン振り回してオススメです。もちろん梶原ネタを書き殴ったオトコの戯れ言ですが。

>『じゃりン子チエ』

ま、1冊読了するのに、読み捨て文庫本一冊分くらいの時間はかかりますからね(笑
ただ、本日、『ベルセルク』最新刊を2分で読了して叩きつけた私は、チエちゃんを心から懐かしく思う者です。

>珍しく両腕をブンブン振り回してオススメ
ぬ。
早速探し出してBookOffのカートにほうりこみましt(ry

>2分で読了して叩きつけた
かつてそうであった身の上として、あえて申しましょう。
「まだ、そんなところにいたのか」

かつてはそうは受け取りませんでしたが、今思えばこのセリフ、グリフィスはガッツに同じ高みに登ってほしかったんでしょうな。
んで、こねーからきちゃった、と。

三平ちゃん、大好きなんですよ。

というか高校時代友人(これもなぜか女子)が買い始め、仲間内でブームに。
当時皆の憧れは大人でかっこよくて、優しくてニヒル(死語?)な魚紳さん!

仲間内のもう一つのブームが「ドカベン」だったのですが、どっちが面白いかという不毛なおしゃべりで、「野球の試合はまあ、ドラマがあるといってもバリエーションに限りがあるだろうけど、魚は世界中にあんなにたくさんの種類があるんだから、多分『三平』の方が長く続くだろう」とかいってましたねえ。

結局両方ともものすごい大作になりましたが。

でも、映画は見てないんですけどね。

ガンダム初オンエア時のファンは女子中学生であったという逸話を思い出しました。
シャア萌えだったそうです。

劇場版、私も未見ですが、三平役の子役は原作者イチオシだとか。

>長寿
野球は、ひと夏に三年かけるとか反則気味な展開がアリな世界ですからねw
『平成版釣りキチ三平』なるものも存在するようですが、こちらは1シリーズに三年かかってしまっているそうです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/542052/46298305

この記事へのトラックバック一覧です: 漫画 『釣りキチ三平』:

« だいきょうきん理論 | トップページ | アニメ 『Phantom~Requiem for the Phantom~』 »

フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック