« 読物 『阿片王 満州の夜と霧』 | トップページ | 俺学 »

2009年8月24日 (月)

読物 『特務機関』

 これ以上の苦しみはないだろう。死一等を減じられた代償として、日本人として扱われないという運命をあたえられたのである。日本人との断絶、肉親との断絶、靖国の神のままアパカに流刑の身となった。

――語られざる実話「日本人を捨てよ」

特務機関という言葉の響きには、いわゆる諜報機関のイメージを抱かされる。
それは間違いではないようで、しかし、そのいかめしい耳触りとは裏腹に、実情はお粗末であったようである。せざるをえなかった人々の必死の努力は、広大な大地と過酷な環境、彼の膨大な人的物的資源に比して卑小なる我という実際に阻まれ、思うを果たせない。

本書は、外蒙国境に配属された兵士たちが、戦後に著述を提供しあって編まれたものだという。そこに語られているのは、どことなく特車二課のありようを想起させられる、非日常を日常とした人々の日常の風景である。

« 読物 『阿片王 満州の夜と霧』 | トップページ | 俺学 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

「とくむきかん」
イイ響きですねぇ。実態はどうあれ、なんかイカス。『男組』に出てきた『朽木機関」のイメージがあるからかなぁ。

下山事件関連の本をパラパラ読んでたころに、「矢板機関」とか「キャノン機関」などという特務機関の存在に出くわし、ちょっぴり興味を惹かれた憶えがあります。
が、まあ、ピンキリというか、基本的には歴史の賑やかしなのかなぁ、という印象を持ちました。

>男組
内容を覚えていないのでアレですが、おそらく「児玉機関」のオマージュと思われます。
機関というとイリーガルな印象があり、それっぽいモノを表現するにきわめて適当であったのではないかと思われます。

>ピンキリ
個人的には従事した個人を揶揄するつもりはなく、現代のヲトナ社会に散見するイイカゲンさと酷似するものだと受け止めております。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/542052/46019316

この記事へのトラックバック一覧です: 読物 『特務機関』:

« 読物 『阿片王 満州の夜と霧』 | トップページ | 俺学 »

フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック